作品4 「兆し」(91cm×116.7cm 2006年)
作者の言葉 自然と人の織り成す造形、そして歴史・・
木
いつも気になる木だった。
通勤途中に毎日目にしていて。
ある時、ふとその木に目を向けると、
天空から差し込む光の帯が木に降り注いでいた。
とても神秘的な光景だった。
スケッチブックを慌てて取り出して、
すかさずスケッチした絵が上記の作品の雲の光景となった。
この時は、この木に自分が何だか呼ばれているような気がした。
雲間から太陽の光線が差し込む、こういう現象は
「天使の梯子」とか、「ヤコブの梯子」とも呼ばれるようで、
天使がこの梯子を上り下りする、と言われている。
私は、特別の宗教を持っているわけではないが、
神の存在というか、神の働きというものを時々思うことがある。
この宇宙自然界の働きや成り立ちを見ていると
どうしてもそういう存在にいきついてしまう、というほど
この世界の不思議さを思う 。
金子みすずの詩にこんなのがある。
「はちと神様」
はちはお花のなかに お花はお庭のなかに お庭は土べいのなかに
土べいは町のなかに 町は日本のなかに 日本は世界のなかに
世界は神様のなかに そうしてそうして 神様は小ちゃなはちのなかに
はちにも、宇宙にも、私たち人間にも、そして小さな石ころにも
同じように働いている何かを感じるのは確かだ。
時々、そういったものに関心が向いて、偶然とか、奇跡とか、
思いがけない出来事に出くわすと、いろんな事が必然かのように
結びついて、とてもスピリチュアルな気持ちになり
楽しませてくれる。
そうした思いで、出来た作品とも言える。
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