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鈴鹿カルチャーステーションの
坂井和貴さん。


このコラムは、坂井さんが
個人的に書いているブログ
を 、本サイト管理者が、
勝手に拝借して掲載して
いるものです。

 

 文化と人類@    10月26日 2010

(1)文化人類学という学問がある。様々な文化の中で、人はどう生活しているか、子どもはどんな育ち方をしているかを研究している。

(2)とても極端な例だが、50年ほど前ウガンダ北部に住むイク族の調査が行われた時、子どもは3歳になると、もう親は食物を運んで来てはくれず、自分で探し求めなければならなかったという。

(3)赤ん坊が生まれても誰も喜ばず、また母親が赤ん坊を放ったらかして飢え死にさせても、誰も母親を咎めない。逆に親が子を養い、病人やケガ人の手当てをすると、それは「変なやつ」として笑い者になる。

(4)そういう環境の中で、子どもも、もはや、親の愛情を求めたりしなかった。

(5)もともとは狩猟や農耕で暮らしていたが、その地域が国立公園に指定され狩猟と採集が禁止され、全員が飢えてしまったという状況が、その背景にあるらしい。

(6)すべての人が生きる手段として“人間不信”を身につけ、他人と自分に何かの関係が生ずるとしたら、それは、「他人を自分の為に利用する時でしかない」というエゴイズムに徹した。

(7)つまり、新しい世代のイク族の子どもたちは、その“不信”のみを学んでいる。こういうイク族の未来はどうなるのだろうかと研究者は警鐘を鳴らし、結んでいる。

(8)これは過去の、遠い国の話だろうか。今の子どもたちが、日々何を学んでいるかと見てみたとき、その中に“不信”や“疑い”、“諦め”などもしっかりラインナップされているのに気付く。

(9)子どもがどうかの前に、彼らを取り巻く文化や社会の存在が大きく立ちはだかる。

(10)今の社会の鋳型に嵌めるような子育てからオサラバするのは当然だが、どんな社会を描きつくるのかが無ければ行き先がない。コミュニティの内実が問われる。

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