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豊かさ満喫2年目芋煮まつり開催
                                《11月3日》


はたけ公園参観さつま芋収穫!&芋煮・石焼き芋・おにぎり堪能


鈴鹿市算所町で。鈴鹿ハンターの東側にあります。

秋もたけなわ、11月3日文化の日。鈴鹿市平田町駅から歩いて15分ほどの、住宅地に隣接する「街のはたけ公園」で、昨年初めて開催された「芋煮祭」が今年も開かれ、多くの家族連れで賑わいました。これは、秋の収穫を祝うお祭りで、「子どもゆめ基金の助成活動」として、また、鈴鹿市からの後援も受けています。日頃この場所で活動しているメンバーが、企画・準備しました。
曇天の寒空でしたが、火を囲んで、人が寄り、熱々の石焼き芋や、芋煮汁、握り立てのおにぎりに身も心もほっこりとあったまる、和気あいあいのお祭りでした。

おまつり開会式!



SCSの中島さんの司会でおまつり開始です。
と言っても、早くから焼き芋が焼かれ、口に頬張りながら、なんとなく司会の方に集まる感じ。お子さん連れの家族も多く、小さい子は話なんか聞きません。関心ある人たちが、耳を傾けるといった開会式でした。

プロジェクトを語る!

←映画監督の山本晋也に似ている(?)中井さん

そもそも「街のはたけ公園」って何?

この場所は、鈴鹿ハンターさんの土地で、SCSの活動に賛同いただき、2年半前からお借りしています。
芋煮祭の主催者の一人、 シニアの中井さん(鈴鹿ファーム)は、当初から関わりました。
最初にしたのが、蓮池作りです。聞くと「ユンボに乗りたい。ユンボで穴を掘りたい」という動機のようで…なんだか、子どもみたいですね。でも、そんな気持ちでこの公園が少しずつ形を成してきました。

現在、いろんな人が集まって、それぞれの関心で、いくつかのプロジェクトが進行しています。その案内を中井さんのガイドではたけ公園内を参観しました。
プロジェクト毎に紹介していきましょう。

プロジェクト1 野菜で社会を作ろう!――ベジコミクラブ



ベジコミクラブは、ベジタブル・コミュニティあるいは、ベジタブル・コミュニケーションの略だそうです。
「 野菜で社会を作ろう!」と始めたクラブで、主にシニアのおじさんおばさんたちがメンバー。野菜作りのド素人からベテランまでいます。

ベジコミクラブのメンバーが案内してくれました。

野菜作りは素人という大平さんの話
「今、10人くらいで、5反くらいを、多種多様に渡って作ってます。出来るだけ化成肥料に頼らずに堆肥を使って、野菜をつくってます。今は、茄子、蕪、大根、水菜、ネギ、ニラがあります。味がいいです。楽しみながらつくっているので、作ったものを皆さんにも格安で提供したいという夢もあり、お店も計画中です」



関東から移住してきた須賀さん
「今は来年に向けて、絹さや、スナックエンドウ、そら豆をまこうとしてます。夏はオクラ、インゲン、トマトをつくっていました。リンカショップという地域通貨のお店があり、収穫したものを店に出して地域通貨で食べてもらっています。お金に頼らない物のやりとりがあり、作っている人の顔が見えるので、地域通貨で野菜が回っていくことはいいことだと思います。1年半前に来て、農業は初めてで、道具もやり方も教わりながらやってます」

てる子さん「蕪をつくっています。もう少しで収穫です。手をかけて可愛がってやってます」

地域通貨は、この辺で試みにやっています。







プロジェクト2 蓮池でお月様を愛でよう!



公園の東南角に蓮池があります。池を作った中井さんの話です。
「白い花が咲く蓮池です。もうじきレンコン収穫です。
あの土手に萩の花が植えてあって、 満月の時はあの向こうからお月様が登ってきて、その月を愛でながら、 熱燗で一杯やって俳句を読むという計画です。今年は雨で出来ませんでした。ここに東屋のようなものを作くって、月を愛でたい」

参観者から「それはご相伴に預かりたい」という声が…

プロジェクト3 果樹で豊かさを満喫しよう!

 

蓮池から道を挟んで北側に果樹園があります。ここも中井さんのお話です。中井さんはみかん栽培もしてます。
「はたけ公園として、果樹を栽培しているのは、果樹の持つ豊かさを満喫できるようにということです。ぶどう、温州みかんが植わってます。ぶどう畑は、山田さんという人が普段はトラックの運転手ですが、休みの日に世話にきています。

みかん畑の方は、温州みかんといって、日本で一番美味しいみかんの種類です。日本で一番というこは世界で一番美味しいということです。このみかんは完全無農薬で栽培してます。満月と新月のときに、農薬ではないものを散布しています。農薬ではないので、顔にかかっても安全で快適です。来年から収穫する予定です」

プロジェクト4 大豆百粒運動に参加しよう!




大豆畑の前にやってきました。

鈴木英二さんから簡単な紹介です。
「美里在来種の大豆の畑です。梅崎さんから預かった2000粒をここに蒔きました。今月15日が収穫予定です。
辰巳芳子さんが全国的に進めている大豆百粒運動があって、ここでもその一貫で進めています。一粒から1000粒の豆が取れます。梅崎さんに指導を頂いています。子ども達に一番関心をもってもらいたんですが、収穫後いろんな企画をやっていきたいです」
子どもたちには大豆への関心が低いようで、子ども企画の中でも大豆を植えたりしましたが、どうもモチベーションが上がらないということです。そこを中島さんがフォロー。
「前回のてっらこやで枝豆をとって茹でて食べました。それは子どもたちとても喜びました」
そうです。

 梅崎さん「大豆から人間性を磨こう!」

 続いて、梅崎さんのお話です。三重大学教授で、日本では大豆の第一人者だそうです。この道一筋でやってこられて、「大豆百粒運動」の栽培顧問をされているとのこと。その梅崎さんのお話です。なぜ大豆百粒運動なのか、を語ってくれました。

「日本の伝統食といった時に、大豆製品には、味噌、醤油、湯葉、納豆、豆腐などがあります。これらは和食の基本であるということ。
大豆の国内自給率が4〜5%でほとんどを海外から買っていることに危惧していること。
それを大人に言ってもだめだ、となり、子どもが自分で植えて、大豆に親しむことと。
大豆100粒植えるとだいたい1kgから1.5kgとれます。その量だと豆腐でも味噌でも出来るから、一人の子どもに100粒植えてほしいと始まった運動です。
都会でやると学校全体で100粒ほどしか植えられないということで、なかなかですが、
昨年で全国312校、 2万人ほどの生徒さんが参加するようになり広がってきています。

これによって日本の和食を守っていこうと。世界遺産に日本の和食を登録しようという情勢ですので、いいものがあるのに気づいていない日本人に、もう一度、見つめ直してもらおうと、進められています。

辰巳芳子さんは料理評論家なので、文化出版局、主婦の友社、テレビ神奈川、信越放送などの出版、マスコミ関係のバックはあるんです。取った大豆の後のことは強いのですが、栽培に関してはなかったので、研究者の中では変わっている私のところへ話が来て、大豆を育てる方のことをやってます。

分野が違うんで、辰巳芳子さんとはちょっと話ができるんですが、料理家から見ると辰巳さんは神様みたいな人で、そういう人からは接するのにピリピリ緊張して対応してます。非常にカリスマ性のある人です。

ただ、料理家だけじゃなく、哲学者でもあり、大豆の話でも子どもたちにするときに、スケッチをさせるんです。
人間というのは動物の本能があるから動くものには反応する。だから、ウサギや犬に対しては可愛いと飛びつく。しかし、小さい時から、いつ動いているか分からない大豆をじーと見て、スケッチすることによって人間性が磨かれる≠ニいう話をされます。

それを聞いて、私も心強くなりました。豆は日頃口にしているので、どう育ち、どう生っているか、子どもの時に知ってもらうと日本食への理解が深まるかなと思います。

この畑のは、美里在来といって、今の津市ですね、そこで栽培されていた大豆です。
収量が低く、作り難い品種ですが、粒が大きく、糖質も高いので、豆腐を作ると甘くなります。」

プロジェクト5 SUZUKA FARM!


次に「SUZUKA FARM.INC」と書かれた看板のプレハブの中に入っていきます。

野菜の出荷場のようです。







鈴鹿ファームの小林さんです。
「 鈴鹿ファームでは、畑、たんぼで野菜や米をつくっていて、それを直売所に下ろしています。若い人たちでやっています。ここでは、ほうれん草の出荷をしているところです。今は、小松菜、里芋、さつま芋を出荷しています」とのこと。

プロジェクト6 公園を公園らしくしよう!

園内を一回りして再び、元の広場に戻てきました。
そこでは、公園の管理をしている本山さんが話してくれました。
「見た目は農場のようですが、もっと公園らしくしていきたい。予算もないので苦労していますが、そこはみんなの知恵と力を寄せてやっています。今回、トイレをそこにつくりました。 
公園としての体裁も整えつつ、この公園でみんなが寛いで、憩っていく場にしたいと思ってやってます。」




畑の真ん中に置かれたトイレです。なんと、“超エコトイレ”だとか。
排出されたものは、地面の中にいる微生物が発酵して、そこに消えていく仕組みになっているとういことです。暖房便座とウォシュレットも完備した快適なトイレになっているそうですよ。

プロジェクト7 おくど計画と段ボールコンポスト計画!

 

上記タイトルのプロジェクトについて、宮地さんが語りました。

「この畑公園はやっている人が一番楽しんでいるように僕には感じます。

地域の人たちとどのようにつながっていけるか、この公園の願っているものです。夏、ショウガを植えたが、あるとき、見たら、なかった。散歩の人が取っていかれたかな…と思いました。ここが公園らしくなることで、地元の人と楽しんだりできる。そういう願いで、本山さんが立って、だんだんと周囲がきれいになってきた。

おくど(カマドのこと)も、かなり粗末ですが、面白くやってみようという人が寄ってやっていたら、より豊かになっていくかな。
僕は、段ボールコンポストに興味があり、ずっと続けています。段ボールとオガコと米ぬかだけです。3ヶ月は生ゴミを入れても増えません。3ヶ月すると段ボールが緩んでくるので、、自分の家の庭の堆肥にするか、ここにもってくると畑の土になります。そういうのを地元の人とやっていきたいと、というのが僕の夢です」

今回のおまつりも、化石燃料を使わないでやってみよう、ということで、薪をつかって火を焚いています。炊き出しのように見えますが、いざというときには、その偉力を発揮することでしょう。


さつま芋&里芋収穫体験!

 

はたけ公園の参観が終わると、子どもたちとその親御さんたちは、さつま芋収穫体験!です。まず、鬱蒼と茂るさつま芋の蔓から撤去します。
そして、畝を手で掘っていくと、あーありました!

 

 
 
さつま芋を手にして大喜び

 

さつま芋収穫の後は里芋収穫をしました。里芋の茎を傘にして遊ぶ子らも。


石焼き芋の味は!?


 

子どもたちが収穫したさつま芋も早速焼き芋に。
これが特製、石焼芋窯です。石を敷き詰めた上にさつま芋を並べて、下から薪を焼べていきます。焼きあがる仕組みを鈴木さんが解説してくれました。
「この窯だと、焼き芋のように硬くならずに、湯で芋のように水っぽくならない。
芋から出る水分が室の中で蒸しあがるようになり、室内の反射熱と薪の遠赤外線とで、ほどよく焼けます」ということです。左側から新しい芋を入れ、焼けたものを右側から出して行きます。室内で芋を転がしながらスライドさせて、じっくり火を通していくのです。

「そんな取材ばかりしてないで、焼き芋食べてみなよ。まず、焼き芋の取材しなさいよ」
と、焼き立ての芋を、シニアのおば様から勧められ記者に手渡されました。

 

懐かしい石焼き芋の味ー

勧められるまま、記者はその芋を割って一口食べた。

あー、これは昔よく、♪石焼き芋ー焼き芋♪と売りに来ていたあの石焼き芋の味だ。
水っぽくなく、パサつきがなく、揚げ芋のように甘くても油っこくない。
焼けた匂いと、口に入れた時の、広がる香り、
ホックリとした、食感、
噛んで舌で感じる、凝縮されたさつま芋らしい甘味、その甘さの濃いこと、

懐かしさと、蘇る記憶と共に、感動が込み上げてきた。

芋の皮も香ばしく、全部いただいた。

こんな焼き芋一つにも、感動するなんて、自分ながら驚きでした。

芋煮、大釜3つ分!  

 

子どもたちが収穫した里芋を洗って調理し、芋煮汁にしました。
おくどさんに大鍋3つ並べて、「今年は120食分用意しました」と中井佳子さん。
お椀によそって手渡していきます。


 


おくどさんで炊いたご飯をその場でおにぎりに

和やかに団らん!



そここに、食を囲んで、輪が出来て、

 

いつの間にか、会話が飛び交い、互いの心も触れ合うような場になっていたように思いました。


参加者の感想は?

参加者に、今日の感想を聞いてみました。

▼キャパがある

南伊勢町から来ましたという女性の方
「こんな場を提供するのが難しいところです。風呂敷を広げるのが大変なことです。
どんな人でも受け入れるキャパの広さが、ここにはある。
面白い人が集まって来ていて、人材が多いなーと感じました。
 
それぞれ一人ひとりが輝けるように、人と人のつながって、豊かになっていくことで、地域が豊かになっていく、そういうことがしたくて、私も南伊勢町で、そんな活動をしていて、そこに宮地さんたちが来てくれて、何か共通する思いを感じたので、今回4人で参加しました。

一人ひとりの中にはそういう思いもあるし、種自体は持っている。しかし、蒔いて、育てて、花を咲かせる土壌が用意できない。それをここではやろうとしていて、いいなーと思いました。

この“ゆるさ”がいいです。こうして下さい、とか、これはダメです、とかがない。
何でもOKみたいなキャパの広さがある感じ。例えば、ベルシティで買い物帰りにちょっと寄ってみました、という感じでも寄れる場になっている。
やっている側が楽しんでいる。」

▼チラシを見て

チラシを見て来ました、という若いお母さん二人にも聞いてみました。
「ポストにチラシが入っていて、あ、こんなのやってるんだーと、丁度その時に、桜島町の友達も来てたので、一緒に参加しました。
なんか、子どもも楽しそうだし、食べ物もおいしくて、来てよかったです。
子どもの体験企画(一日てっらこや)があるみたいなので、それにも参加させたいです。
私は滋賀の出身なんですが、そこでは、よくこんな子どもの企画があって、2泊3日の体験企画とかもあったんですが、鈴鹿に越してからあまりなくって、でも今日来てよかったです」


記者の感想

喜びを分かち合うまつり

10月に開催した里山まつりに引き続いて、今回も参加した方もあったりと、その時の空気もつながっての今回のまつりになったようです。
何よりも、この「街のはたけ公園」で活動しているメンバーたちの、その楽しさがもっとも現れていた感じ。窮屈さや固さがなく、緩やかに、穏やかでした。
テーブルを囲んで、また、火を囲んで、そここに、話の輪が出来ていて、そんな光景が、とても心地よく見えました。お腹もいっぱいになって、くつろいでいくと、人と人とが寄っていく。元々とけあっていくものなのでしょうか。シニアメンバーたちの醸し出す空気に、会場が包まれていたようです。

この日だけでなく、月に一回とか、週に一回とか、こんな場を作っていきたいという話も聞きました。「野菜で社会をつくろう!」と言ってましたが、こんな場作りが、一つのキッカケになるかもしれませんね。

また、来年が楽しみです。 (写真・文:いわた)

 記者の失敗談 実は、写真を撮って、その画像をパソコンに移す時に、なんの手違いからか、SDカードのファイルを全て消してしまった。写真画像が全部消えてしまったのだ。これはPCのせい?それともヒューマンエラー?と責める気持ちや言い訳がふつふつと湧いてくる。それでも事態の深刻さはない。翌日になって、急に事の重大さに気づきはじめ、なんとか、ファイルを復旧する方法がないものかと試行錯誤。プロに頼むと2万円はかかる、専用ソフトをインストールするにも4,5千円はかかることが判明。リンカ(コミュニティ通貨)MLに、復旧ソフトに詳しい方求む!とSOSをメールすると即、Sさんから連絡が入った。急いでカードを持って自宅に伺い、お願いする。そして、待つこと、祈ること半日。ファイル復活!の知らせが入る。オー神様仏様S様!皆様にその写真をお見せ出来て、本当に嬉しく思います。撮影に協力して頂いた、参加者の方々にも謹んでお礼申し上げます。(いわた) 



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