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新年度スタート
学び舍“てっらこや”始業式
 《4月1日》
               
子ども本来の意欲を伸ばせる広場づくりを
SCS新装 学童スタート




4月1日。「学び舎“てっらこや”」の新年度始業式が行われました。
「学び舍(や)」「てっらこや」という言葉に込められた意味をご存知でしょうか?
この1年間やってきて、そして、 新年度にあたりもう一度見直し、確認しあってスタートしようという意図で、今回の始業式が企画されました。後半で紹介する坂井さんの話からも、分かりやすく伝わってきます。


まずは、オープニング。こども和太鼓クラブ「すずっこ」の発表です。
この日に向けて挑戦してきたという曲『夜明け』を披露しました。

「約1年間、1曲勝負できましたが、始業式に向けて2曲目を挑戦しました。まだ半分の出来ですが、今日はそのままを見てもらとうと思います。一人ひとりがどこまで思い切りやれるか楽しみです」と、中島さんより紹介があり、子どもたちは元気良く太鼓を響かせました。



続いてビデオコーナー。カルチャーステーションで行われている子どもたちの1年間の学びや体験の様子をまとめたビデオを見ました。
「ジーンと来ました」、というお母さんもいました。
教科の学習だけでなく、お茶やアート、太鼓、生花、そして野外での体験機会など、多岐に渡って学びの場があるのが、ここの特色です。
横断的に見渡すとその多様な環境が用意出来ることは、子どもの成長にとって大きなことだと感じます。

この後は、大人と子どもに分かれ、一日てっらこやに参加している子どもたちは、桜餅づくりへ。
そして、大人は、懇談会に移っていきました。




大人の懇談会では、カルチャーステーションの坂井さんより、ここで行われている“学び”の意味についてお話がありました。その要約を紹介します。

“主体的に楽しめる人、創る人へ”

実物に触れる機会を

子どもたちにとって、 学習、芸術、自然体験、暮らし、遊びの5つくらいの要素で、学びの機会が作られてきているかと思います。それらを一つのものとして考えて『学び舎てっらこや』と呼んでいます。子ども自身が望む場で、利用してもらい育っていけたらと思っています。
アート教室だけとか、学習塾だけとか、一つだけに来ている子ももちろんいますが、その一人の子を、スタッフみんなが見合っていると思います。

そして、この4月からは、学童がスタートします。

ここが 、子どもたちにとって、一つの家のようになってきているかな。
「ただいま!」と言って来る子がいます。そう言いなさいとこちらが言ったわけではないのに。なので、「お帰り」と返事をする。子どもにとって、あまり緊張しない、安心出来る場になってるように感じます。

そんな安心感の中で、畑や里山などの自然の場の中で、出来るだけ、実物というか、実際のものに触れる機会が必要ではないか、見たり、観察したり、どうなっているかな、と疑問が湧いたり、科学的な目や力が育ってくると思い、そのような場を用意しています。

子ども本来の意欲を伸ばす

学校では、集団生活であるためにルールや決めゴトも多く、そういう枠に合わせないといけないという前提があります。今の社会では必要なので、学校の先生方も一生懸命やってくれています。でも、何かに合わせるというのは、人間の本来的な性質からすると、あまり合わない。当て嵌められたり、させられることは嫌います。
KYとか言って、その場の空気を読めるとか言いますが、あれも、その場に合わせないと居られない、いつも周囲に目を配り自分がどういう位置にいたらいいか、そんな能力が試されている。それでは、自分の中味が飛んでしまいます。周りを気にし、周りに合わす、周りに認められるよう、外れないようにとなってしまい、それでは子ども自身の本体が揺らいでしまう。本体が無くなってしまうことを危惧します。
できれば、その場に合わせる子ではなく、その場をつくれる子になってほしい、そんな子に育ってほしいという願いがあります。
受け身的な人から主体的な人へ、育っていけないか、そんな環境をここではつくっています。
楽しめる子、と言うか、楽しいコトがあって、楽しいでなくて、自分から楽しめる子を目指している。主体的でないと楽しめません。
小さい子どもを見ているとよく分かりますが、もともと人間って、見たがり、知りたがり、やってみたがり、だと思います。何も知らずに生まれてきて、見たい知りたいという欲求で溢れている。
ところが、いつの間にか、その欲求が減退していき、これをしなくちゃいけない。勉強しなくちゃ、と、しなければいけない、という方に引きづられていく。本来ある、見たい、知りたい、やりたい気持ちが失われていく感じですが、本来的なままで成長出来ないか、とここでは取り組んでいます。

家庭や学校から離れた場で

その意味で、家庭・学校・地域の三つの場があり、家庭では、お父さんやお母さんとの関係がすごく大事ですし、その中で培われていくものは大きい。
ところが、家庭では、どうしても目先のことになりがちです。
「片付け出来た!?」「学校の用意した!?」「 宿題やった!?」「もう寝る時間でしょ!」と、
目の前のことをしないと日常が過ぎていかない。次こうしなさい、ああしなさいの連続になりがちです。
親が一番口にするランキングによると「ちゃんとしなさい」というのが多いようです。
目の前のことだけでは、子どもの本来的な力が伸びていくかどうかと思います。

家庭や学校から離れた広場、学び合える場が今の子どもたちには必要ではないか、この学び舎てっらこやは、そういう学びの広場として子どもたちに活用してもらえたらと思っています。

笑い話のようで笑えない話ですが、先日友人と話をしていたら、
「40、50歳になっても高校大学時代の夢を見る」というんです。どんな夢かというと‥
「この授業に出ないと単位がもらえないとか、このテストを受けないと落第してしまうとか、そしてハッとして起きると、俺は50だった」みたいな。
大学を卒業して20年30年経っても、何か脅迫観念が残っている。未だにそんなことで夢を見て起きてしまうという話だったんです。

心ある大人たちで解放される場づくりを

知らぬまに、「しなければならない」というものに縛られて来ていますが、そのへんは、心ある大人たちで、そのようなものから解放された学び舎をつくって、子どもたちの本来ある、「見たい、知りたい、やりたい」というものが伸びていけるように、という日々です。

もちろん完成したものではなく、毎日やりながら、こんな場所づくりでいいかな、スタッフの中味はどうかな、と探りながら、確認しながらの日々です。
てっらこやに送られている親御さんからも子どもの様子も聞かせて頂きながら、そういう場になっていくようにご協力頂ければと思います。そんな場づくりが進行中というところです。

と、坂井代表からの挨拶でした。
この後はスタッフの紹介です。
つづく‥? (記事:いわた)


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